今日もゆるりと生きる

がんばりすぎない生き方の教科書

セミの鳴き声を聞くと命のはかなさを感じてせつなくなる

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夏休みになると、毎日のように聞こえるセミの鳴き声。

小学校の頃の夏休みを思い出す瞬間である。

ただセミの鳴き声を聞くと、なぜこんなにもせつなくなるのだろう。

 

セミが勢いよく鳴きはじめるこの季節になると、なぜか無性にせつなくなる。

それは命のはかなさを感じるからだ。

 

セミの命は一週間ほどと言われている。

脱皮して、やっと顔を出したと思ったら、たった一週間で一生を終える。

そんなにせつない生き物が、ほかにいるだろうか。

 

しかし実際には、もっと長く生きることもあるそうだ。

暑さがやわらいでから生まれてくれば、1ヶ月くらい生きることもある。

 

夏の風物詩であるセミは、なんと暑さに弱いと言う。

ではなぜ過酷な夏に生まれてくるのか。

 

生まれた時から試練を与えられ、短い一生を終えるために生きている。鳴いている。

わたしはセミの鳴き声を聞くたびに、悲鳴にしか聞こえない。

 

まるで「苦しい」「助けて」「死にたくない」と言っているようで、心が苦しくなる。

こんなにもつらい人生なら、いっそ生まれて来なければ良かったと思っているのではないだろうか。

 

成虫になるまでは、種類によって3~17年土の中で生活する。

「なんだ、けっこう長生きじゃん」と思うかもしれないが、土の中だ。

 

真っ暗な場所で太陽の光を見ることもなく、じっと耐えしのいでいる。

そしてやっと地上に出たと思ったら、一週間の命で一生を終える。

これをはかないと言わずして、何と言うのだろう。

 

わたしは夏が来るたびに、セミの鳴き声を聞くたびに、こんなことを考えてしまう。

 

外壁にへばりついて鳴いているセミは、数日後に必ず死を迎えることをわたしは知っている。

まいにち同じ場所で鳴いているセミを見るのがつらい。

 

そして案の定、数日後には地面にパッタリと落ちている。

そんなはかない一生を終えたセミを見つけると、わたしは土に埋めて大地に返してやる。

 

なぜそこまでセミにこだわるのか自分でもわからない。

もしかしたらわたしの前世は、セミだったのかもしれない。